正常妊娠・流産・異所性妊娠の診断

前回の記事では妊娠反応が陽性になった場合、正常妊娠・流産・異所性妊娠の3つが考えられることを説明しました。

この記事では、産婦人科医が上記の3つをどうやって区別するかについて説明します。基本的には以下の2ステップに沿って診断を行います。

STEP1 赤ちゃんが子宮の中にいることを確認する。

赤ちゃんが子宮の中にいるかいないか経腟超音波で判断します。胎嚢と呼ばれる赤ちゃんの袋が子宮の中にあれば子宮内妊娠です。胎嚢は妊娠4-5週程度から確認できることが多いです。

子宮内に胎嚢を認めた場合は、次のステップに進みます。

STEP2 赤ちゃんが生存しているか判断する。

妊娠週数により主に2つの方法があります。

 妊娠7週前後:胎児心拍を確認します。超音波で胎児心拍が確認できれば、その時点で赤ちゃんが生きていることを即座に確認できます。

 妊娠4~6週:胎児・胎嚢の成長を確認します。胎児の心臓が超音波で見えない場合、時間をあけて診察し胎嚢・胎児の成長を確認します。この時期の胎児・胎嚢は1日に約1㎜程度大きくなります。約1週間程度あけて大きさを確認します。

子宮内に胎嚢が確認できない場合

子宮内に胎嚢が確認できない場合は以下の3つ可能性がありますが、実はこの3つは区別が難しいです。

 ①正常妊娠だが赤ちゃんが小さくて見えない

 ②流産で赤ちゃんが見えない

 異所性妊娠 

 例えば、排卵日が遅れていると妊娠週数が見込みと違うため妊娠5週を過ぎても胎嚢が見えないことがあります。また異所性妊娠は胎嚢がお腹の中のどこにあるか見つけられない場合があります。産婦人科医は診察所見、最後の性交渉の時期、血中・尿中HCGの濃度などから最も疑わしいものを判定していきます。

 一番避けなければならないのは異所性妊娠を見逃すことです。別の記事で書く予定ですが、異所性妊娠は命に関わる場合もある病気ですので、慎重に診断する必要があります。 

 ここまでの内容をフローチャートにしてまとめてみるとこのようになります。

 状況によりますが、子宮の中にも外にも胎嚢を確認できない場合は、異所性妊娠に注意しつつ、時間をあけて再度診察することが多いです。

 以上は一般的な内容ですので例外もあることをご了承ください。一度正常妊娠と診断されても流産になる可能性や、子宮内外同時妊娠、胞状奇胎などという稀な状況もあります。詳細は主治医の判断に従ってください。

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