児頭骨盤不均衡ってなに?

 本日は児頭骨盤不均衡について書きたいと思います。

児頭骨盤不均衡=赤ちゃんの頭が骨盤を通れない

 赤ちゃんは頭が一番骨盤を通りにくく、頭が通れば体はすんなり産道を通り抜けられます。が、赤ちゃんの頭が骨盤にひっかかって出てこられなくなるのが児頭骨盤不均衡です。

骨盤の広さを示す産科的真結合線

 さて、骨盤の広さを表す基準の一つに産科的真結合線という基準があります。これは、恥骨と背骨の部位を結んだ距離ですが、日本人の産科的真結合線の平均値は11.5㎝と言われています。赤ちゃんの頭の横幅は9-10㎝程度なので、その差は1.5~2cm程度あり、これなら問題なく赤ちゃんの頭は骨盤を通過できます。

児頭骨盤不均衡を引き起こすケースは?

 しかし、例えば低身長のお母さんなど骨盤が狭い方の場合、産科的真結合線が9㎝程度という方もいます。赤ちゃんの頭は「応形機能」という形を変化させることで骨盤を通りやすくする機能がありますが、この機能には限界があるので骨盤を通過できない場合があります。また逆に赤ちゃんが4000g以上の巨大児などで頭が大きい場合も骨盤を通過できません。

児頭骨盤不均衡は帝王切開が必要

 上記のようなケースの場合、陣痛が来てある程度お産が進んでも、途中で分娩が止まってしまいます。治療としては帝王切開を行い、赤ちゃんを帝王切開で出す以外に方法はありません。

児頭骨盤不均衡の予測(グッドマン・マルチウス法)

 昔からよく行われてきた児頭骨盤不均衡の予測法として、グッドマン・マルチウス法があります。これは満期近くの妊婦さんの骨盤と赤ちゃんの頭をレントゲン撮影する方法です。このレントゲン写真をもとに前述した産科的真結合線などを計測することで、赤ちゃんの頭が通過できるかを予測します。ちなみに妊娠20週を超えれば数枚のレントゲン撮影は問題ありません。

 しかし、最近になりグッドマン・マルチウス法はあまり使われなくなっています。なぜなら、下からのお産は難しいと判断された方でも実際はお産が可能なケースや、お産できると判断した方が実際には児頭骨盤不均衡であるケースが存在するからです。この原因は、赤ちゃんの頭が骨盤の形に合わせて変化する応形機能や、分娩中骨盤自体も形が変化するからだと考えられています。

児頭骨盤不均衡の予測は難しい

 そこで最近では、低身長で骨盤が狭い予想される方に関しても、一度はお産をチャレンジしてみる方針の施設が増えています。極端な低身長な方などは例外ですが、計画分娩などで陣痛を起こして実際にお産が進行するなら経腟分娩、途中でお産が止まったら帝王切開にするといった具合です。

 他にMRIなどにより骨盤を計測する方法などもありますがまだ一般的ではありません。

結局分娩チャレンジしないとわからない。

 以上から実際には分娩が始まってから、児頭骨盤不均衡と診断されることが多いです。陣痛で苦しんだ挙句に、帝王切開となることもあり妊婦さんとしてのかなり負担をかけてしまうこともあります。低身長の方などは特に心配だと思います。どうしても「陣痛と帝王切開の二重苦が嫌!」という場合は担当に相談してみるのも一つの手かもしれません。児頭骨盤不均衡の扱いは、分娩施設の規模、体制、診療方針などによってかなり差がありますので、状況によっては最初から児頭骨盤不均衡疑いとして帝王切開とする施設もあると思います。

まとめ

 このページでは児頭骨盤不均衡について説明しました。児頭骨盤不均衡は児頭が骨盤を通ることができずに引っかかってしまう状態です。解消するには帝王切開が必要になります。児頭骨盤不均衡の予測は難しく、分娩が始まってから児頭骨盤不均衡と診断されることケースも多いです。特にお母さんの身長が150㎝以下の場合などは、事前に医師と相談するべきだと考えられます。

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