つわ100 

~つわりがつらい時に試すべき100の方法 ver1.23~

つわり症状を少しでも軽減するためにできることを全て網羅しました。このリストから気になる方法を試してみましょう。

つわりには特効薬がありません。よって、自分にあった対処法を見つけ、少しでも症状を抑えることが大事です。このリストは、つわりで苦しむ妊婦さんの苦痛を緩和するための対処法を100個まとめたものです。 自分ができる対処法をためすことで、少しでもあなたのつわりが良くなることを願っています。

※このリストの使い方  気になるカテゴリから読みましょう。おすすめ対処法は緑色になっています(産婦人科ガイドライン記載の対処法など)。

カテゴリ一覧(つわりの必須知識を知りたい医療的な対策を知りたい食べ物・食べ方を工夫したいストレスを避ける方法を知りたいからだを整える方法リラックス法を知りたい気持ちを安定させたい職場・仕事の対策をしたい家族とともに向き合いたい妊娠の基礎知識を知りたいさいごにあとがき)

〇つわりの必須知識を知りたい

つわりの原因はわかっておらず、妊娠によるホルモンや体の変化など様々な要因が複雑に絡み合っているため、人によって症状が違います。だからこそ、あなた自身に合う対処法を見つけることが大事です。

つわりは妊婦さんの約80%にみられ、妊娠11-13週でピークを迎え、16週までに症状が消えることが多いです[1]。中には症状が出産まで続く人もいますが、8割以上は妊娠20週前半までに終了します。つわりは突然終わることも多く、ある研究では参加者のうち40%が突然症状が終わったとされています[2]。

「つわりは病気でない」という人もいますが、「病気であるない」と「つわりのつらさ」に関係はありません。吐き気や気持ち悪さがつらいのは事実ですから、病気でないからといって、無理する必要して働いたり我慢する必要はありません。

 つわりが、赤ちゃんやお母さん自身を危険な食品から守るための防衛システムだと考える研究者もいます[3]。つわりの強い妊婦さんは弱い妊婦さんに比べ流産率が低かったとすると報告もあります[4]。

妊娠悪阻(にんしんおそ)は重症化したつわりで、全妊婦の0.5-2%に発症します。「吐き気が強く水分が取れない」、「ほぼ毎日嘔吐している」、「体重が5%以上減少している」などは悪阻で点滴治療が必要な可能性があります[1]。徴候がある場合は主治医に相談しましょう。

〇医療的な対策を知りたい

ヨーロッパでよく使われる吐き気止めの酢酸メトクロプラミド(商品名:プリンペラン)を処方してもらいましょう[1, 5]。すべての人に効くわけではありませんが、よく効く方もいます。この薬は妊娠中でも安全に使えます。

日本では保険適用になっていませんが、欧米ではよく使われている吐き気止めがあります (ドパミン拮抗薬、ヒスタミンH1受容体拮抗薬、セトロニン5-HT3受容体拮抗薬など)[1, 5]。どうしても吐き気が強い時は担当医と相談して使用してみるのも手です。

漢方薬である小半夏加茯苓湯、半夏厚朴湯はつわり症状を和らげる可能性があります。一度試してみて損はありません。粉薬のため飲みにくい時は、白湯に溶かして飲んでみましょう。試す価値ありです。

マルチビタミンサプリがつわりに効く報告があります[1, 9]。葉酸やビタミンB1、B6 なども補充できるメリットがあります。薬局に売っているものでかまいません。すぐに効果を感じないかもしれませんが、根気強く続けましょう。

ビタミンB6には吐き気を抑える効果があることが科学的に証明されています[1, 5]。アメリカでは、まずビタミンB6がつわりに使われます。ビタミンB6はマルチビタミンサプリで補えます。

極端な栄養不足は、ウェルニッケ脳症という病気を引きおこします[1]。この病気は、ビタミンB1不足により意識障害や歩行障害などを引き起こす病気です。ビタミンB1はマルチビタミンのサプリに含まれていますが、全くものが食べられないなら病院で点滴してもらいましょう。

つわり中は錠剤が飲みにくくなることがあります。小児用の服薬ゼリーなどを利用して、薬やサプリが飲みやすくなる工夫をしてみましょう。

妊娠悪阻症状がある時や、症状がつらくて我慢できない時は担当医に相談しましょう。点滴や吐き気止めなど、力になってくれることがたくさんあると思います。仕事にいけない場合の診断書や、漢方薬など試してみたいことを相談することも大事です。

点滴により、脱水や電解質バランスを改善し、最低限の栄養を補給することができます[1]。脱水や電解質バランスが改善すると、体調がよくなる可能性があります。点滴から吐き気止めを投与することもできます。点滴は、入院して行うことも外来通院で行うこともできます。入院することで、食事の準備などの家事負担を減らせるメリットもあります。

なるべく入院するのは避けたい、家でリラックスしたい方は通院で点滴を受ける方もいらっしゃいます。通院は大変ですが、入院費などもかからないため選択肢の一つです。

最近は、オンラインで医師の診察を受けたり、医療相談を行えるサービスも増えています。適切なアドバイスを受け、不安や心配を少しでも解消しましょう。

オンライン助産師サービスを活用してサポートを受けましょう。助産師は妊娠・出産に関するエキスパートです。先輩ママさんも多いので、ちょっとした疑問や医師に相談しにくいことも解決してくれるでしょう。
 オンライン助産師サービス Mamawell https://mamawell.jp/

〇食べ物・食べ方を工夫したい

つわり中は空腹で吐き気が誘発されます。1回の食事量を減らし、回数を多くすることで空腹の時間を減らしてみましょう[1, 7]。

この時期の赤ちゃんはまだ数㎝程度ですので、赤ちゃんのために無理やり食事をとる必要性は低いです[8]。食べたいと思った時に、食べやすいものを、食べたい分だけ食べましょう。偏食になっても構いません。

この時期に充分な栄養をとれないことは仕方のないことです。お母さんが脱水などで体調を崩すほどでない限り、栄養不足で赤ちゃんが流産になったり、成長が鈍くなったりする可能性は低いです[8]。食事をとれないことに罪の意識を感じて、自分を責める必要はありません。気持ちをしっかり持って、この時期を乗り切りましょう。

脱水を防ぐため定期的に水分補給をしましょう。最低は1日500mlくらいとりたいところです。真水よりもスポーツドリンクや経口補水液などがオススメです[9]。体内のミネラルバランスを整えることで症状が和らぐ可能性があります。柑橘系や炭酸飲料も飲みやすいです。

冷たい食べ物は腸の動きを良くします。水分補給が難しい時は、スポーツドリンクを小分けにして凍らせたり、柑橘系のアイスを試してみましょう。

少量の炭酸水は胃腸の働きを活性化し、吐き気が和げる可能性があります。レモン風味の炭酸は飲みやすい方が多いです[9]。

妊娠初期に起こりやすいマグネシウム不足はつわり症状を悪くする可能性があります[9]。穀類、野菜類、豆類やミネラルウォーターを摂取しましょう。便秘があれば酸化マグネシウムを食前に内服しましょう。

極端カリウム不足は不整脈などの重大な病気を起こすことがあります[1]。妊娠中はカリウムが不足しやすく、嘔吐をするとさらにカリウムが失われます。メロン・スイカといった果物やトマト・じゃがいもといった野菜など、カリウムを多く含む食品を取りましょう[9]。

妊娠初期は相対的に塩分が不足しがちです。積極的に摂取する必要はありませんが、この時期から塩分制限をする必要はありません。

口の中の違和感や味覚がかわったときは塩をかけて食べてみましょう。唾液中のアミラーゼが活性化され、味を感じやすくなります[9]。 例:おにぎりに塩をふって食べる、味噌汁の味噌を少し多めにする

冷たい食べ物はにおいが弱く、胃腸の動きをよくするため、吐き気が起きにくいです[9]。ご飯も、冷たいご飯なら食べられるという人もいらっしゃいます。適度に冷たくして食べてみましょう。

生姜は、吐き気を和らげられる可能性のある食品です[1, 5]。生姜の酢漬け、生姜の粉末、ジンジャーティーやジンジャーエールなど様々な試し方があります。ジンジャーアロマを使う方法もあります。自分にあった方法を試してみましょう。

クエン酸は吐き気を起こすにおいを抑えてくれます[9]。冷たいご飯と梅干しを一緒に食べると、食べやすくなる人がいます。梅は色々な食べ物が発売されています。カリカリ梅や梅タブレット、梅干しなど好みのモノを探してみましょう。

レモン、酢などすっぱいものは口の中をすっきりさせてくれます。またクエン酸はアンモニア臭をおさえてくれるため、食品に少しかけると食べやすくなるかもしれません[9]。

ミント味、レモン味などのアメガムで、食べづわりが和らぐ人もいます。甘さが苦手な場合は、塩タブレットや塩飴なども食べやすい可能性があります。

肉や魚などの動物性タンパク質により嘔吐が起こるときには、乳酸菌を含むヨーグルトやキムチなどを一緒に食べると、食べやすくなる可能性があります[9]。

腸の動きが悪いとつわり症状が悪化します。食物繊維により消化を助け、便秘を防ぎましょう。豆類やイモ類、蒟蒻、海藻類(もずく・わかめ・寒天)などに多く含まれています。便秘が強い場合は酸化マグネシウムなどの便秘薬を処方してもらいましょう。

〇ストレスを避ける方法を知りたい

今は自分自身とお腹の中の小さな命を優先する時です。ストレスはあなたにも赤ちゃんにも良くありません[1]。困難を感じたら、それから離れても大丈夫。今だけは自分を第一優先でいましょう。

仕事、ゲーム、お気に入りの動画などでとにかく気を紛らわせましょう。

とにかく寝てやり過ごしましょう。なかなか寝付けない場合は、上腹部を蒸しタオルで温めると寝やすくなるかもしれません。

不快なものはなるべく自分から遠ざけましょう。我慢する必要はありません。まずは自分を第一優先に考えて、今だけはいらないストレスは脇においておきましょう。

妊娠中はにおいに過敏になり、好きだったにおいがダメになることもあります。ご主人のにおいがダメになる方もいますが、この時期は仕方ありません。嫌なにおいの元からなるべく離れましょう。 食器用洗剤、洗濯用洗剤・柔軟剤等も、見直して、香りが残る製品などは、無香料製品に変えたり、実家の家族などにもお願してもいいと思います。

妊娠中は様々な匂いに敏感になります。特にアンモニア臭は吐き気を誘発します[7]。アンモニアを消臭できる「消臭マスク」を試してみましょう。レモンなどの柑橘系や自分の好きなにおいのアロマオイルをマスクにしみ込ませてみるのも有効です。

つわり中は音が敏感になる方も多いです。耳栓をしたり、テレビなど音の出るものはしまいましょう。

少しでも目から入る情報を減らすために真っ暗にして過ごす、アイマスクなども検討してみましょう。

歯を磨いて気持ちが悪くなる方は、①小さな歯ブラシや子供用の歯磨き粉を使ってみる、②歯磨き粉を使わずに歯を磨く、③洗口液という口をすすぐだけで歯を磨ける液体を使ってみる、などの対策が有効です。

洗口液について:https://www.earth.jp/mondahmin/column/02/

痰ツボを利用し、すぐに唾を出せるようにしましょう。味に違和感がある時は口をゆすぎましょう。

わざと吐くと楽になる人もいます。吐きにくいもの(刺激の多い辛い物やすっぱいもの)は避けて、豆腐やゼリー、雑炊など柔らかく水気の多い物を選んで食べると、吐いた時の負担をへらせます。ただし、吐き過ぎると、体の電解質バランスが崩れるので、適宜スポーツドリンクなどで電解質を補給しましょう。

〇からだを整える方法

つわりは静脈血栓症塞栓症(足の血管に血の塊ができる病気)のリスクが高めます[1]。特に脱水状態になると、血が固まりやすくなります。血の塊が心臓の血管を塞いでしまうと、命に関わることがあります(エコノミークラス症候群)。足首の曲げ伸ばしを一日数回繰り返すことで血栓を予防しましょう[10]。

「内関」と呼ばれる手首から指2-3本分下の部分を、1日数回刺激してみましょう[11]。内関は抗がん剤による吐き気にも有効とされています[12]。簡単に試せるので試してみましょう。

鼓腸とは、腸にガスがたくさんたまった状態で、腹痛・げっぷ・寝つきの悪さなどを起こします。指でお腹を軽くたたいてポンポンと太鼓を叩くような音が聞こえたら鼓腸の可能性があります[9]。

鼓腸を治すには①お腹を腹帯や暖かいタオルなどで温める、②少量の炭酸水を飲む、③アミラーゼを多く含む食品(山芋、大根、ニンジン、キャベツ)をとる、が有効です。夜、眠れない時には①をやってみてください[9]。

お気に入りのアロマでリラックスした時間を作りましょう。ミント、レモン、グレープフルーツやジンジャーがおすすめです。特にジンジャーは吐き気を抑えられる可能性があります。ローズマリーやラベンダーなど妊娠中は避けた方がよいものもありますので、注意しましょう。

足のマッサージは消化管の働きを抑え、吐き気を軽くしてくれる可能性があります。科学的根拠は弱いですが、試してみて損はありません。

深い腹式呼吸で心も体も落ち着かせましょう。お腹に手をあてて、お腹の動きを感じながら、鼻から5秒吸って、口から10秒かけてゆっくり呼吸しましょう。

科学的な根拠はありませんが、一部のマタニティヨガやストレッチはつわりを抑える効果があると考えられています。つわり症状が比較的強くないタイミングで、気分転換に取り入れてみてもよいかもしれません。

〇リラックス法を知りたい

少しでもリラックスできる環境を作りましょう。お気に入りのアイテムを置いたり、リラックスできる香りや音楽を選んだりして、あなたにとって最高の癒し空間を創り上げてください。

音楽の力を借りて、穏やかな時を過ごしましょう。あなたを穏やかな気持ちにさせる、お気に入りのメロディを楽しみながら心を癒しましょう。

マタニティブラなど締めつけのない服装で、ゆったりとストレスフリーな時間を過ごしましょう。

お風呂やシャワーで吐き気持ち悪くなる時は、ぬるめのお湯にしてみましょう。副交感神経への刺激が抑えられるため、吐き気が起こりにくくなるかもしれません[9]

日光浴はビタミンDの生成を手伝うことが分かっています。また、外出は気分転換にピッタリです。余裕があれば、外の空気を感じてみましょう。

軽い運動は心身ともに良い効果をもたらします[1]。ストレッチやウォーキングなど無理のない範囲で体を動かすと、身体的にも精神的にも楽になるかもしれません。

体調がつらい時に無理やり運動する必要はありません。体を動かすのがつらい時はゆっくり休息を取りましょう。

〇気持ちを安定させたい

信頼できる人に、あなたが今感じていること聞いてもらいましょう。ただ話すことで、頭の中が整理されて、気持ちが軽くなると思います。なんでも1人で抱えるのはよくありません。

両親、家族、親しい友人など信頼できる人に妊娠したことを伝え、サポートを求めましょう。今後のために1人でも相談できる人がいることで、不安がとても軽くなります。

つわりのつらい時期をSNSで仲間を探して乗り越える方は多いです。今この瞬間もどこかで自分と同じ体験をしている人がいるわかると、心が少し軽くなります。

妊婦友達とちょっとした疑問や思いを共有するだけで、とても心強く感じられて不安が軽くなるでしょう。週数が近いと共通の話題や悩みを話しやすいです。SNSを通して見つけるのもいい方法です。一緒につわりを乗り切って、出産まで共に過ごす仲間を探してみるのはいかがでしょうか。

妊娠は、心も身体も社会とのつながりも大きく変化させます。大きな変化に適応できず、気分がずっと落ち込んでしまう場合や、今まで楽しかったことを楽しめない場合は、友人・夫・病院のスタッフ・地方自治体など、どこでもいいのでピンチのサインを出しましょう(私でもいいです)。大切なのは、1人でその気持ちを抱え込まないことです。

つわりの時に限らず、日々の体調や感情の変化を記録することは大切です。客観的に自分を見つめ直すことで、喜びを再認識したり、気が付かなかったストレス源を見つけることができます。妊娠中の思い出は大事な記念になります。将来子供とその日記を見返す日がくるかもしません。日記でなくても今の状況をただ書き出すだけでも有効です。

前向きに過ごすことは、あなたにも赤ちゃんにも良い影響を与えます。今は気分が落ち込みだと思いますが、前向きに考える姿勢を忘れないように過ごしましょう。

〇職場・仕事の対策をしたい

あなたは、もしかすると「今の症状で仕事を休んでいいのだろうか」「もっと頑張らないといけないのでは?」と思っているかもしれません。しかし、つわりの症状は人それぞれです。その人がどれだけつらいのかは、嘔吐の回数や体重変化だけではわかりません。自分の心の声を大切にして、つらいと感じるなら、無理せず休みましょう。

「妊娠の報告は安定期に入ってから」と考えている方も多いですが、状況によっては早い時期に伝えるのもありです。早めに報告することで、業務内容や勤務時間などを配慮してもらえるメリットがあります。信頼できる上司だけでも良いので伝えてみましょう。

妊娠中は疲れを感じやすくなります。疲れがたまると、つわりや他のマイナートラブルの悪化につながります。もし可能なら、勤務時間を短くする、1日休みを増やす、夜勤を避けるなど、フレキシブルな勤務スケジュールを相談して、あなたにとってベストな勤務体系を検討し直しましょう。

在宅勤務は妊娠中の体への負担を軽減する素晴らしい方法です。職場に相談して、あなたに適した働き方を見つけましょう。

満員電車はつわりの妊婦さんの天敵です。不快なにおいやトイレにいけない閉鎖空間は、多くの妊婦さんを苦しめています。通勤の時間帯を変えることで、少しでも体への負担を減らしてみましょう。

職場の上司や同僚の中には「妊婦さんにこの仕事を任せていいのか」「どのくらいお願いしていいのか」がわからず、困っている人もいます。同僚とコミュニケーションをとり、自分にできる事、できない事を伝え合うことが大切です。

妊娠・出産に関する社内の制度を最大限利用し、休業や復職に関する手続きや条件を確認するためにも、人事や労務部門と連絡を取りましょう。

傷病手当金は、仕事を4日以上休業した際に所得の一部が保障される制度です。担当医の診断書が必要ですが、つわりで仕事に行けない場合は担当医と相談の上、記載してもらいましょう。

傷病手当金について  https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat320/sb3170/sbb31710/1950-271/

母子健康連絡カードは、医師から自宅安静や勤務時間の短縮などの指示があった際に職場に提出するための書類です[13]。診断書と同じ効力を持ちます。診断書は書類手続きの関係上、職場から提出を求められることがあります。必要に応じて担当医に発行してもらいましょう。
 母子健康連絡カードについて https://www.bosei-navi.mhlw.go.jp/renraku_card/

〇家族とともに向き合いたい

家族でつわりについて学び、理解を深めましょう。知識を共有することで、サポートの輪が広がります。例えば、このリストについて一緒に話合ってみるのもいいでしょう。

妊娠出産に関する知識を書籍・アプリ・ネットなどから得ましょう。妊娠出産はある日突然トラブルが起こることもあります。あらかじめ知識をもつことで、すぐに対応できるように準備しましょう。
 参考アプリ:Babyプラス、マタニティプラス、Ninaru、ルナルナベビー、トツキトオカ、ままのてなど

家族は妊娠と出産の旅の大切なパートナーです。妊娠・出産のリスクや注意点を共有することで、全員でサポート体制を築き、あなたと赤ちゃんの安心と安全を守りましょう。
 最近は家族や夫のためのアプリなども増えてきています。(パパNinaru、トツキトオカなど)

夫の健診への参加は、あなたや赤ちゃんの変化を実感できるとてもいい機会になります。妊娠中の各ステップを共に歩むことでお互いの絆を深め、サポートし合える関係性でいられると心強いですね。

夫や家族と定期的に話し合い、感情やニーズを共有し、「して欲しいこと」「して欲しくないこと」を明確にしましょう。お互いの望むことや必要なサポートを理解し、一緒にこの時期を乗り越えましょう。

つわりのつらさは他人には伝わりにくいです。人に伝える方法の一つにVAS(Visual Analogue Scale)があります。これは、「何もない状態」を0、「自分が今まで経験した最も辛い状況」を10とした時に、今の症状のつらさが0~10のどれか表す方法です。この方法を使えば、少しだけ今のあなたのつらさを他人から想像しやすくなくなります。また、日々の数値の変化からあなたの症状の変化を共有できるものメリットです。

あなたの感情を理解し、共感をくれる人のサポートは計り知れない価値があります。自分の今の気持ちをわかってくれる親しい人と話す機会をもつことで、心が軽くなるかもしれません。

体調が万全でないときは、赤ちゃんと自分自身のためにしっかり休むことが大切です。家族と家事の分担について再検討してみましょう。一緒に妊娠・出産を乗り越える一体感を感じられるきっかけになるかもしれません。

上の子どもがいるなら負担を軽くするために家族や家事代行にサポートをしてもらいましょう。両親に頼むのも手です。サポートが足りない場合は、地方自治体や通院中の病院に相談してみましょう。

つらくてできない家事などを家事代行業者に依頼してみましょう。最近では、妊娠中や産前産後をサポートするための家事代行サービスが多数展開されています。今後に使用したくなる機会もあると思いますので、今から試してみてはいかがでしょうか。

買い物をすることは良い気分転換ですが、外出することでどっと疲れてしまったり、人混みで体調を崩しやすくなる人も。ネットショッピングを活用すると体の負担をぐっと減らすことができるでしょう。

ハンバーガーやポテトといったジャンクフードなど、つわり中食べやすいものを手軽に手に入れることができます。自分と赤ちゃんのことを第一優先して少しでも負担を減らしましょう。

両親に家事や身の回りの世話をしてもらって、なるべく負担を減らしましょう。

状況が許せば、実家で過ごすのも一つの方法です。

自治体から提供されるサポートを活用して、負担を軽減しましょう。例えば、無料の助産師さんとのオンライン相談など、あなたが心と体を大切にできるようにさまざまな支援サービスがあります。

〇妊娠の基礎知識を知りたい

胎動を感じない時期は赤ちゃんが元気かどうかがわからず、不安になることもあるかもしれません。家庭用の胎児心音計を利用すると赤ちゃんの心臓の音を聞くことができ、赤ちゃんの状態をいつでも確認することができます。
 エンジェルサウンズなどの胎児超音波心音計について https://yomogiblog.com/enjyerusaunzu/

最近では、家庭用の超音波(エコー)のレンタルサービスもあります。赤ちゃんの手足や顔が動く様子や心臓の鼓動を見ることができ、成長をより身近に感じられます。
 家庭用超音波 ポケマム https://pockemam.com/

妊娠中のたばこは早産、妊娠高血圧症候群、常位胎盤早期剝離などリスクを高めます[1]。また、赤ちゃんにとって先天性心疾患などの異常も引き起こしやすいです。タバコは百害あって一利なし。

アルコールは、胎児性アルコール障害(特異的な顔貌、身体発達の遅れ、小頭症など)や、胎児性アルコールスペクトラム障害(学習障害、発達遅延)を引き起こす可能性があります[1]。これらの病気は少量のアルコール摂取でも起こりうるので、注意が必要です。

妊娠女性のカフェインの摂取量は200mgまでとされています[14]。これはマグカップでコーヒー2杯分くらいです。過剰なカフェイン摂取は、胎児の発育を遅らせる可能性があります。たくさんコーヒーが飲みたいときは、デカフェ製品などを選んで飲みましょう。
 厚生労働省 食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A.

妊娠中は免疫が低下することから、食中毒が重症化しやすいと考えられています。リスクを避けるために、生の卵や生肉の摂取を避けましょう。レアの肉料理にも要注意です。

マグロやカジキなどの水銀を多く含む魚は控えましょう。栄養豊富な安心できる食事を心がけてください[15]。
 厚生労働省「これからママになるあなたへ お魚について知っておいてほしいこと」

リステリア菌は食中毒の一つですが、妊婦が感染すると重症化し、胎児の命に関わる危険があります。ナチュラルチーズ、魚や肉のパテ、生ハム、スモークサーモンなどは避けましょう[16]。
  厚生労働省「これからママになるあなたへ 食べ物について知っておいてほしいこと」

〇さいごに

101、つわりはいつか終わると信じる
 妊婦さんの約8割は妊娠20週前半でつわりが終わります[1]。まずはいつかつわりは終わると信じましょう。つわりは突然終わることも多いです。つらい時期は永遠ではないことを忘れないでください。あなたは一人ではありません。

このリストについて質問やご相談、ご指摘がある方は、産婦人科医よもぎ https://twitter.com/Yomogi_OBGY にご連絡ください。

※あとがき

 ここまで「つわ100」を読んでいただいて誠にありがとうございます。現在私は「妊娠出産の苦痛を最小化し、感動を最大化する」というミッションのもと、まずはつわりで苦しむ妊婦さんを減らせるようにこのリストを作成しました。しかし、このリストはまだまだ未完成で、皆様のご協力のもと更にブラッシュアップしていかなければいけないものだと思っています

 そのためには、まだまだ人手やご意見が足りない状況にあります。ご意見に関しては、「この方法は使えない」「こんな方法もあります」などがありましたら、下のコメント欄やTwitterのコメント欄にどしどし書き込んでいただきたいです。また、もし私の活動にお手伝いいただける方がいらっしゃれば、TwitterにDMをいただければ幸いです。

 これからも頑張っていきますので、よろしくお願いいたします。

文章確認協力:ままになる@2y&産婦人科医 @obgyn_mama 様

スペシャルサンクス:E,U様(助産師さん)

1.            日本産科婦人科学会. 産婦人科診療ガイドライン産科編2023. 2023.

2.            Gadsby R, Barnie-Adshead AM, Jagger C. A prospective study of nausea and vomiting during pregnancy. Br J Gen Pract 1993; 43: 245-8.

3.            Flaxman SM, Sherman PW. Morning sickness: a mechanism for protecting mother and embryo. Q Rev Biol 2000; 75: 113-48.

4.            Hinkle SN, Mumford SL, Grantz KL, Silver RM, Mitchell EM, Sjaarda LA, Radin RG, Perkins NJ, Galai N, Schisterman EF. Association of Nausea and Vomiting During Pregnancy With Pregnancy Loss: A Secondary Analysis of a Randomized Clinical Trial. JAMA Intern Med 2016; 176: 1621-1627.

5.            McParlin C, O’Donnell A, Robson SC, Beyer F, Moloney E, Bryant A, Bradley J, Muirhead CR, Nelson-Piercy C, Newbury-Birch D, Norman J, Shaw C, Simpson E, Swallow B, Yates L, Vale L. Treatments for Hyperemesis Gravidarum and Nausea and Vomiting in Pregnancy: A Systematic Review. JAMA 2016; 316: 1392-1401.

6.            Czeizel AE, Dudas I, Fritz G, Tecsoi A, Hanck A, Kunovits G. The effect of periconceptional multivitamin-mineral supplementation on vertigo, nausea and vomiting in the first trimester of pregnancy. Arch Gynecol Obstet 1992; 251: 181-5.

7.            Campbell K, Rowe H, Azzam H, Lane CA. The Management of Nausea and Vomiting of Pregnancy. J Obstet Gynaecol Can 2016; 38: 1127-1137.

8.            Morokuma S, Shimokawa M, Kato K, Sanefuji M, Shibata E, Tsuji M, Senju A, Kawamoto T, Kusuhara K, Japan E, Children’s Study G. Relationship between hyperemesis gravidarum and small-for-gestational-age in the Japanese population: the Japan Environment and Children’s Study (JECS). BMC Pregnancy Childbirth 2016; 16: 247.

9.            恩田威一. 悪阻なんてこわくない: 安産のための手引き. 2013.

10.         McNally MA, Cooke EA, Mollan RA. The effect of active movement of the foot on venous blood flow after total hip replacement. J Bone Joint Surg Am 1997; 79: 1198-201.

11.         Festin M. Nausea and vomiting in early pregnancy. BMJ Clin Evid 2009; 2009.

12.         神里みどり. がん患者の苦痛症状を緩和する補完療法エビデンスカード.

13.         厚生労働省. 「母健連絡カード」(母性健康管理指導事項連絡カード)について.

14.         厚生労働省. 食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A.

15.        厚生労働省. 「これからママになるあなたへ お魚について知っておいてほしいこと」.

16.         厚生労働省. 「これからママになるあなたへ 食べ物について知っておいてほしいこと」.

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