まず、この記事の結論です。
妊娠反応が陽性になったら、他の人に言う前に産婦人科を受診しましょう。
「妊娠反応が陽性になった!!」
陽性になった皆さんは、きっと嬉しい気持ち、不安な気持ち、驚いた気持ち、色々な気持ちが混ざり合う不思議な気持ちになっていることでしょう。この事実をすぐにでもパートナーや友達に伝えたい!その気持ちはわかります。でも、ちょっと待ってください。
実は、妊娠反応が陽性になっただけではそれが正常な妊娠なのかわかりません。
妊娠反応陽性時、考えられる可能性は主に以下の3つがあります。
①正常妊娠
②流産
③異所性妊娠
妊娠反応検査は、妊娠の有無だけを調べる検査なので、今あなたの妊娠が正常かどうかはわらかないのです。ではそれぞれについて説明していきましょう。
①正常妊娠
正常妊娠は子宮の中で赤ちゃんがしっかり育っている状態です。赤ちゃんが7週前後であれば、心臓がピコピコ動いているので、すぐに正常妊娠だわかります。
しかし診断が難しいことがあります。例えば妊娠週数が早い場合、胎嚢(赤ちゃんの入っている袋)が超音波で見えないことがあります。その場合、後述する異所性妊娠と区別するのが困難です。
②流産
流産は赤ちゃんの成長が止まり、妊娠が継続できない状態です。流産のほぼ9割以上は受精前後や着床の異常で、現在の医学では治療できません。流産は全妊娠の10-20%程度で起こるといわれていますが、気がつかれない流産も含めると更に頻度は高いと考えられています。
③異所性妊娠
異所性妊娠は赤ちゃんが子宮の外の卵巣や卵管などに妊娠している状態です。異所性妊娠は全妊娠の約1%程度で発生します。これは異常な妊娠であり病気です。放っておくとお腹の中で大量出血を起こして、お母さんの命に関わることがあります。
どうやって診断するか?
産婦人科医は以下の2つのSTEPで診断を行っていきます。
STEP1 赤ちゃんが子宮の中にいることを確認する。(異所性妊娠の除外)
STEP2 赤ちゃんが生存しているか判断する。(正常妊娠・流産の鑑別)
次の記事で正常妊娠・流産・異所性妊娠の診断法の詳細についてみていきましょう。